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情報社会における身近なコミュニケーション手段
インターネットが発達して以来,コンピュータを利用したコミュニケーションのサービスが普及してきた.また,フェースブックやミクシーなどがSMS,掲示板,ブログ,チャットなどを一つのプラットフォームにまとめ,SNSとして提供し始めた.それに伴いインターネット上で個人認証をすることで,特定の相手と一対一のコミュニケーションを行ったり,不特定多数とやり取りをしたりするサービスが普及し始めた.しかし,当初はそのようなサービスを利用するのはパソコンが多く,個人個人のパソコンというよりかも,家族共有のパソコンによる使用が多かった.SNSは元々は高校生や若い人たちが頻繁に使用するサービスというよりかは,大人が家でパソコンを用いて行うという側面が大きかった.
しかし,スマートフォンの爆発的普及が2010年ごろに起こり,スマートフォンがパソコンの使用台数を上回り,高齢者であってもスマートフォンを使用していることも珍しくなくなっている.それに伴い,SNSは若い人たちが頻繁に使うサービスとしての側面が強くなりつつあると言える.また,スマートフォンは電話としての側面も持ち合わせており,一人一台電話を持っている状態となっており,インターネットに関しても「誰でも」「どこでも」接続できるサービスとなった.
有名なものとして,2011年にサービスを開始したLINE,Twitterの普及,そして10代のスマートフォン普及に伴い10代のコミュニケーションのインフラとして定着しつつある.また,10代の電子メールの利用率は低く,SNSなどの利用率が突出しており,LINEなどが包括的(メール,通話,ショートメール,動画共有など)にコミュニケーションを取るツールとして使えるためと考えられる.
情報社会におけるコミュニケーションの光と影
情報社会の発展により,コミュニケーションの利便性が高まる一方で,情報格差,健康への影響,いじめや犯罪などに巻き込まれる可能性が高まっているなど,負の側面も存在する.スマートフォンなどの個人が所有する電子機器の普及に伴い,SNSが普及し,コミュニケーションの利便性の向上につながる反面,年齢や世帯の所得,個人の技術,社会環境の差により格差(デジタルデバイド)が生じ,新たな情報を手に入れる機会や量が異なる可能性がある.
インターネット利用率は現役世代や10代では90%を超えている一方,60代を超えると利用率が下がり,さらに80代を超えると20%ほどしかない.また,所得が400万円以上の世帯では85%以上の利用率であるが,200万円以下の世帯では50%程度となる.また,SNSの利用率も30代を過ぎると利用率が低下しており,60代では10%ほどしかない.さらに,10〜30代のネット利用の目的はSNSや動画の視聴であるが,60代を超えると,ニュースサイトを閲覧している人が多い.また,年代によって,情報取得の方法が,新聞,ラジオ,テレビ,ネット利用など異なる.
また,SNSなどを過度に使用しすぎて目が疲れたり,肩こりが生じたりなどという健康被害を訴える人が増加している.また,情報機器に依存してしまう不安症などの健康被害(テクノストレス)が存在する.特に高校生の半数以上が1日あたり3時間以上インターネットを利用しており,さらにその半数以上が5時間以上使用している.また,使用理由としてはコミュニケーション,動画視聴,音楽視聴の順で,使用のしすぎによる依存的な状況が大きな問題となっている.
加えて前回解説したサイバー犯罪の報告も増加しており,スマートフォン所有率の増加に伴い件数が増えている.内容としては,詐欺,悪質商法,ネットオークションに関する相談などである.
情報社会における問題解決の重要性
さまざまなものにはいい面悪い面の両面が存在する.しかし,問題があるからといってその利用を停止してしまうことは現実的ではないし,かえって悪い使い方をする人が増えてしまう可能性すらある.そのため私たちはいい面を使いつつ,悪い面に対する知識を身につけ,対抗するべきであり,第一回の問題解決の考え方を用いて問題の分析と計画を作成し,情報や情報技術を効果的に利用しながら自身の力や周りの人たちと共に悪い面に対抗し,悪い面をなくしていくことが必要である.
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